第4章 重要な動向/人口と人々の福利厚生

 前に「世界の人は 2050 年に 94 億人になると予測される」と述べた。実際は、国連の人口予測値は 77 億人から 112 億人と、かなりの幅がある。94 億人とは国連の「中位予測値」と呼ばれるもので、次のような状況を想定して試算される。
 1.出生率は今後も減少し続ける。
 2.寿命は今後も伸び続ける。
 3.先進国で経験済みの人口学的遷移(人口転換)を今後多くの途上国が経験する。
 さらに、国連の人口の中位予測値を現実のものにするには、合計特殊出生率(一人の女性が生涯に何人の子供を産むかの平均値)が先進国で 1.6 人、途上国で 3.1 人だが、2050 年までに世界平均で 2.8 人まで下がることが必要である。
 社会経済を発展させる上で、教育レベルの高い健康な人口を持つことが不可欠だが、多くの国々では福祉制度への需要の急激な高まりから財政難に陥っており、そのため、GDP(国内総生産)の増加の政策として、教育や保健医療など基本的社会サービス整備の公的支出を一部民間投資で補うケースが増えている。

経済成長と人間開発
都市の成長
国境を越える移動
健康のための処方箋:教育
増加するAIDSの犠牲

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重要な動向/世界を養う食糧

食糧安全保障の危機
食糧の消失
消えいく土地
魚を育てる

重要な動向/生産と消費

資源の浪費
終わりなき書類仕事
煎れる難しさ
企業や産業界は接続可能性を真剣に考えているのだろうか

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環境効率性の7つの側面
企業責任運動

重要な動向/グローバル・コモンズ(地球公共財)

パワー・サージ
前方要注意
気候短信
気候を交渉する
成層圏オゾン層の破壊
栄養分の過剰
酸性雨

重要な動向/資源の危機

森林消失
森林の分断

淡水生態系の衰退
生態系の恵み(サービス)の価値評価
珊瑚礁
消えいく生産量
生物の侵入