2003 年度 夏学期 試験問題 90分(2003.7.31)


持ち込み可 :テキスト(副読本を含む)、自筆ノート、電卓
持ち込み不可:ノートをコピーしたものの類
  問題順に解答を書くこと。


[1] A, B, C を次の政策とする。
   A:消費税率を 15 %とする。
   B:自衛隊が海外で戦闘行為に参加する。
   C:一定条件下でクローン人間を認可する。
無差別(〜)は考えないとすると、政策 {A, B, C} の間に順序を導入する方法は 19 通りあることを示しなさい。

[2] 本来の「囚人のジレンマ」ゲームは、囚人に対する求刑の重さ(3 ヵ月, 1 年, 8 年, 10 年)で定義されている。ここで裏切(自白)の制裁 8 年をさらに重くすると、よく知られた他のゲームとなる。それは何か。またなぜか。どれほど重くすればよいか。

[3] シュタッケルベルク均衡のゲームを展開型で考え、後手のサブゲーム完全均衡戦略(条件付き戦略)を求めなさい。ゲームの例は自らで考えてよい。

[4] 損害額−D が確率 π で予想されるので損害保険に加入したい。保険料 P がいくらまでなら、この損害保険に加入するインセンティブがあるか(すなわち、そのことに利益があるか)。ただし効用関数は x≦0 に対してはU (x) = −x2 とする。

[5] 新聞記者 A 氏は 3000 cm2 の紙面に対する責任をもっており、情報量(ビット)に比例して紙面の面積を割りあてる方針でいる。また 1 ビット=100 cm2 と計画している。
ある日次の e1, e2, …, e10 の事件があったが、A はその意外性の確率を次のように評価した。
   e1: 1/32, e2 : 1/256, e3 : 1/32, e4 : 1/64, e5: : 1/1024, e6 : 1/16, e7 : 1/32,
   e8 : 1/64, e9 : 1/32, e10 : 1/256
紙面が最大量の情報を持つように事件を選択したい。ただし、紙面に空白を作ること、あるいは事件を不完全に扱うことは許されない。さらに、同一の情報量なら記事数が多い方がよい。選択すべき記事を、{e1, e3, e6} のごとく答えなさい。

[6] リチャードソンのモデルで−αx,−βy(消耗係数がついている項)の意味をのべなさい。

[7] 2 生産部門(2 生産物)の産業連関表において、投入係数
   0.1  0.1
   0.4  0.5
に対するレオンチェフ逆行列は
   1.2195  0.2439
   0.9756  2.1951
である。第 1 部門の最終需要が +1 増加した場合の各部門の総生産への影響(増加量)および、その和はいくらか。第 2 部門についてはどうか。さらに、このことから、どちらの部門の最終需要の増加がより大きな効果をもたらすか、大きさの比を求めなさい。ただし、比は 2 数の平均で割って示すこと(5, 15 なら 0.5, 1.5 のごとく)。これの比を「影響度係数」という。


 解答例(唯一の模範解答ではありません)

 問題講評

 講義情報ページへ

 トップ・ページへ