イギリスの政治家・軍人。圧制的な王政に対抗し、清教徒革命を実現した指導者。熱心な清教徒(ピューリタン)として、王政対議会の内乱では強力な騎兵連隊を組織して議会側を指導、王党派を圧倒して共和制を実現。途次、しばしば議会と衝突したが、その真意は常に立憲政治の上にあった。
タフでハードで高邁な改革者。どこか「絵になるような男の子」のイメージを感じさせる人物である。ロンドンのウェストミンスターにある英国議会の庭には、クロムウェル像がすくっと立っている。しかし敢然と議会に背を向け遠くを見つめている。もとよりクロムウェルの理想はイギリスを「新しいエルサレム」(神の都)にすることであった。民主主義を精神的基盤からでなく制度から取り入れた日本人には、この理想は想像もできない絵空事に見えるだろうが、そこがピューリタンであった。