PostScript とは、Adobe Systems 社によって開発された「ページ記述言語(Page Description Language:PDL)」です。ページ記述言語とは一種のプログラム言語で、印刷したり表示したりする対象となる「ページ」に関して、文字や図形をどのように配置するかを指定します。
PostScript で記述されたファイルを印刷したり表示したりするには、PostScript デバイスと呼ばれる、PostScript 言語を解釈する装置が必要です。代表的なものは、ポストスクリプト プリンタですが、それ以外にもいろいろなデバイスがあります。後述する Ghostscript というソフトウェアはそのようなデバイスの例です。PostScript ファイルは通常普通のテキストファイルですので、オペレーティングシステムの違いによらず印刷・表示が可能という特性をもちます。このため他人とのデータ交換などに向いており、最近では Web 上で論文などを公開する際に PostScript 形式を使うサイトが増えています。
PDF (Portable Document Format) とは、この PostScript をさらに拡張し、同時によりポータビリティを高めたファイルフォーマットです。PostScript と同様に言語を解釈する装置が必要で、その代表的なものが Acrobat Reader というソフトウェアです。現在 Windows 版と Macintosh 版が、PDF の開発元である Adobe Systems 社から無料で配布されています。
本サイトのように数式を多く使った情報を発信する場合、現在の標準的な Web ページ記述言語である HTML (Hyper Text Markup Language) では表現力に致命的な欠陥があります。HTML は数式の記述を想定して考案された言語ではないので、指数、分数、ベクトル/行列など少し複雑な数式になると HTML だけで記述することは事実上不可能です。
このため本サイトでは、正確で効率のよい情報発信を目指すという立場から、必要な部分については順次 HTML から PDF/PostScript への切り替えを進めていく予定です。
Windows 98/NT/95、もしくは Macintosh をご利用の方
最初に、Adobe Systems 社から無料で配布されている Adobe Acrobat Reader 4.05J をダウンロードし、お使いのコンピュータにインストールしてください。一度インストールすれば、以後はこのサイトや他の任意のサイトで PDF ファイルへのリンクをクリックすれば、自動的に Acrobat Reader が起動して表示できます。なお、Acrobat Reader を使えば、PDF ファイルを任意のプリンタで印刷することも可能です。
UNIX をご利用の方
残念ながら現在 UNIX で(日本語を含んだ)PDF ファイルを表示できるソフトウェアは存在しません。後述の Ghostscript などを使って PostScript ファイルの方をご利用ください。
PostScript ファイルの閲覧/印刷には、Ghostscript というソフトウェアを使います。Ghostscript には開発・配布元がいくつかありますが、最新版は Peter Deutsch 氏によって策定された Aladdin Ghostscript Free Public License にしたがって配布されている「Aladdin Ghostscript」というものです。非商用なら無料で使えます。
Ghostscript の利用や PostScript 一般については、江口庄英氏による『Ghostscript Another Manual』(ソフトバンク株式会社、1997年)という優れた解説書があります。Windows/Linux 用の日本語パッチ対応済み Ghostscript も付属 CD-ROM からインストールできます。
Windows 98/NT/95 をご利用の方
『Ghostscript Another Manual』に付属のものをインストールするか、こちらを参照して最新版をインストールします。
ただし、一般に PostScript よりも PDF の方がファイルサイズが小さい上、表示も高速なので、Windows 環境の場合はなるべく PDF を利用することをお勧めします。
Macintosh をご利用の方
現時点では、日本語を扱える Ghostscript は存在しないようです。
UNIX をご利用の方
通常これに相当するツールがインストールされているはずです。
特に、東京大学の学生で教育用計算機センターの X 端末を利用している方
PostScript ファイルを一旦任意のディレクトリに保存した上で
% ghostview ファイル名
と入力すれば、画面に表示することができます。また、
% lpr ファイル名
とすればプリンタから印刷することができます(なるべく前もって画面で内容を確認しましょう)。