http://www.asahi.com/business/situgyo/K2001103000173.html
(www.asahi.com にて 10 月 30 日掲載)
[原文(略)]
http://www.asahi.com/business/update/1130/006.html
(www.asahi.com にて 11 月 30 日掲載)
[10月の失業率5.4%、過去最悪を更新]
失業率がまた、過去最悪を更新した。総務省が30日発表した労働力調査によると、10月の完全失業率(季節調整値)は5.4%となり、一挙に0.3ポイント悪化して5.3%となった9月をさらに0.1ポイント上回った。特に男性は0.4ポイント悪化の5.8%に達し、これも過去最悪。就業者数は前年同月より103万人少ない6405万人で、第1次石油危機後の74年に次ぐ過去2番目の大幅減少となった。また、厚生労働省が発表した有効求人倍率も前月より0.02ポイント低い0.55倍と4カ月連続で下がった。
完全失業者数は352万人(前年同月比38万人増)と7カ月連続で前年を上回った。坂口力厚労相は午前の閣僚懇談会で、「雇用政策としての限界に近づきつつある。経済全体からの政策が望まれる」として、総合的な景気対策の必要性を訴えた。
男性の失業率が急速に悪化したのは、就業者の大幅な減少が原因。特に、正社員を中心とした常用雇用が67万人減った。また、完全失業者数も女性132万人に対して男性220万人。男性は増加幅が拡大しており、会社の倒産やリストラによる非自発的失業が3カ月連続で前年より増えた。
産業別では、リストラが加速する製造業(前年同月比83万人減)をはじめ、狂牛病騒動の影響を受けた卸売・小売業、飲食店(同37万人減)や、建設業(同28万人減)で就業者数が軒並み減少。テロ事件の影響で運輸・通信業(同16万人減)も5カ月ぶりにマイナスに転じた。
唯一、サービス業(同65万人増)だけが1年8カ月続けて前年を上回ったが、業務の外注化を背景とした人材派遣や業務請負業の伸びが含まれており、他産業での人員減がサービス分野での増加分に置き換わった側面がある。
一方、女性の失業率は前月より0.4ポイント改善して4.8%。数字的には2カ月前の水準に戻ったが、契約期間が1カ月未満の人が前年より15万人増え、正社員の3万人増を上回っている。労働時間が週35時間未満の人は男性の1万人増に対して女性は10万人増で、失業率は下がったものの、雇用調整のしやすい短時間、短期契約の雇用が増えている。
一方、有効求人倍率は、求人者数が減る一方で求職者数は増える傾向が続いて低下。産業別の新規求人数は、製造業(前年同月比33%減)を筆頭に建設業(同7%減)、運輸・通信業(同6%減)、卸売・小売業、飲食店(同4%減)と軒並み低調だ。前年を上回ったサービス業(同0.9%増)も伸び率が急速に鈍っており、今後、雇用の吸収力が落ちる可能性がある。
失業率(総務省統計局「日本統計月報」)は
にあり。
「労働力調査」はある特定の期間内の事実に基づいて産業別就業者、就業期間、完全失業者の動向など、国民の就業と不就業状態を把握する統計調査である。
「従業者」とは毎月の末日に終わる 1 週間中 1
時間以上の仕事をした者(家族従業者で収入をともなわない場合も含む)のことを言う。そして、この期間中に少しも仕事をしなかった者のうち、就業が可能で、これを希望しかつ仕事を探していた者、および仕事があればすぐ就ける状態で過去に行った就職活動の結果を待っている者を「完全失業者」という。この完全失業者数あるいは完全失業者率の動きは、経済全体の動きを示す重要な統計であり、とくに注目されている。ただし、
完全失業者率=完全失業者数 / 労働力人口
であり、労働力人口=就業者数+完全失業者数である。非労働力人口とは、就業の意志と能力を持たない者をいう。