『入門 環境汚染のトキシコロジー』

Sigmund F. Zakrzewski 著, 古賀実・篠原亮太・松野康二訳, 化学同人, 1995.

Sigmund F. Zakrzewski, Principles of Environmental Toxicology, 2nd ed., Washington, DC: American Chemical Society, 1997.
(1st. published in 1991)


第1章 環境:過去および現在

1.1 歴史的展望
  環境保護政策 
  化学物質による豊かな生活
  警告のサイン
  環境問題と経済活動

1.2 地球環境の現状
  人口問題
  森林破壊
  資源の活用
  エネルギー資源

1.3 人間社会の課題

第2章 薬理学の基礎概念

2.1 用量−反応関係
  毒性の定量化
  用量−反応曲線のプロット
  プロビット変換
  用量‐反応曲線の応用
  毒性の可逆性

2.2 レセプターの概念

2.3 毒物の侵入経路
  経皮侵入
  呼吸器を介しての侵入
  消化器を介しての侵入

2.4 体外異物の輸送
  細胞の取り込み
  血漿と組織間の分布
  化学物質の生体内貯蔵

第3章 体外異物の代謝

3.1 代謝

3.2 第一段階代謝反応

3.3 エポキシド

3.4 抱合(第ニ段階反応)

3.5 グルタチオン

3.6 P−450イソ酵素の誘導と阻害
  P−450誘導物質に関する実験的研究
  P−450阻害物質
  環境中のシトクロムP−450誘導物質

3.7 発がん前駆物質の活性化

第4章 毒性に影響を与える要因

4.1 選択毒性
  代謝経路
  酵素活性
  体外異物の代謝系

4.2 動物を用いた毒性試験
  種差
  曝露様式

4.3 体外異物に対する応答の個体差
  環境および外的要因
  遺伝的要素

第5章 化学物質の発がん性および変異原性

5.1 環境とがん

5.2 発がん過程

5.3 発がん物質のタイプ

5.4 DNAおよび染色体の構造

5.5 変異原性
  点突然変異
  染色体構造異常
  異数体化

5.6 DNAと化学物資との相互作用
  アルキル化
  インターカレート剤
  UV(紫外線)の影響

5.7 DNA修復機構

5.8 in vitro 試験
  短期アッセイ試験の必要性
  バクテリアを用いた変異原試験
  DNA修復試験
  哺乳類を用いた突然変異試験 
  姉妹染色分体交換試験(SCE:sister chromatid exchange assay)
  細胞形質転換試験

5.9 in vivo 試験
  魚を用いた発がん性試験
  げっ歯類を用いた発がん性試験

5.10 リスクアセスメント
  生物外的外挿
  数量的外挿
  実験結果の解釈

第6章 大気汚染

6.1 大気汚染物質の循環

6.2 都市環境汚染物質:汚染物質の発生源と生物学的影響
  一酸化炭素(CO)
  二酸化硫黄(SO2)
  窒素酸化物(NOx)
  炭化水素
  大気中粒子状物質

6.3 大気質の傾向と現状
  自動車による大気汚染
  工業化学物質による汚染
  廃棄物焼却炉による汚染

6.4 汚染物質輸送に果たす高煙突の役割

6.5 成層圏オゾン層の破壊
  クロロフルオロカーボン(フロン)
  極渦
  オゾン層破壊の影響
  国際協力
  フロンの全廃

6.6 二酸化炭素の放出と気候変動のモデル
  地球の気候
  大気中二酸化炭素に影響する要因 
  気候変動のモデル
  対策の進展状況

第7章 水質汚濁および陸地の汚染

7.1 淡水の保持源

7.2 水質汚濁源

7.3 都市域の汚濁物質
  都市下水
  雨水の流出

7.4 鉛汚染
  汚染源
  子供の中毒症状

7.5 土壌侵食
  汚染物質との結合
  農耕地の肥沃度
  塩害

7.6 肥料と農薬
  栄養塩
  農薬
  自然農法

7.7 工業汚染物質
  問題の定義
  水銀汚染
  重金属汚染
  PCB
  ダイオキシン
  五大湖
  ヨーロッパ諸国
  温排水汚染

7.8 地下水汚染
  廃棄物処分場
  浸出水による汚染

7.9 大気汚染物質による水質汚濁
  酸性降下物
  大気中栄養塩
  有害物質の大気による輸送

第8章 汚染防止対策

8.1 低公害型の石炭利用技術
  燃焼前段階での精製
  低公害型燃焼

8.2 排出ガスの浄化
  脱硫技術
  粒子状物質
  粒子状物質の除去技術

8.3 自動車排気ガス対策
  排気ガス対策
  揮発性有機化合物
  ゴムとアスベスト

8.4 窒素酸化物の制御
  燃焼状態のコントロール
  除去システム
  省エネルギー

8.5 排水処理

8.6 廃棄物の処理とリサイクル
  ごみの処理方法
  プラスチック廃棄物の問題
  ごみの再利用

8.7 有害廃棄物
  スーパーファンド・プロジェクト
  有害廃棄物の越境移動
  コンクリートサイロ中の貯蔵

8.8 環境汚染と人口増加

第9章 放射性物質による汚染

9.1 電離放射線
  放射線の種類
  浸透
  放射線強度の測定

9.2 放射線の発生源

9.3 放射線が及ぼす健康および生物への影響
  フリーラジカル
  放射線による影響

9.4 核エネルギー
  核燃料
  原子炉
  核廃棄物
  核事故
  原子力発電の将来
  改良型安全原子炉

第10章 産業中毒

10.1 許容濃度と生物学的曝露指標

10.2 吸入毒性
  気道の刺激と浮腫
  肺線維症
  肺腫瘍の形成

10.3 アレルギー反応
  一般的な作用物質
  食品加工業におけるアレルギー

10.4 腎毒性
  重金属
  ハロゲン化炭化水素

10.5 肝障害

10.6 その他の有害物
  造血器に対する有害物
  神経毒性

補遺

  直面する地球環境問題
  動物を用いた毒性試験
  腎臓と肝臓の生理学

索引