1999年7月7日
前回レポートで「エントロピー」は授業で直前までやりましたので、あとはテキストで自習して下さい。
常用対数とは 10 を底とする対数です。
以下の出題は4章以降の内容です。試験勉強を兼ねています。出題形式の一例ではありますが、
予想問題ではないので繰り返し出題することはありません。
提出は 7 月 30 日 16:00 教務課まで。一切の遅延をみとめません。
形式を守ること。
講義の感想歓迎。
問1 「事業所統計調査」を見て、発見観察するところを述べなさい(データを読む、
図示する、解釈する、新聞記事と関連させる、調べる、etc.)。1500
字程度。
問2 コメントしなさい。
「国民性」というものはない。そのような考え方はレッテル貼りである。
問3 次の語の簡単な解説をしなさい。
a) 社会的な力
b) 中心心極限定理
c) 共通因子、因子負荷係数
問4 「行列」の積について学びなさい(文科のみ)。 ヒント:巻末参照
問5 次のグラフを書きなさい。定数(パラメータ)は適当にとり、点は少なくとも
2, 3 点
とること。コンピュータ出力、方眼紙による図などならさらによい。
a) 積立預金、割賦償還
注) (1.8)式には最後の項に b
がミスで抜けています。
b) 指数型成長
c) ロジスティック型成長
d) クモの巣モデル
問6 自ら 2
階線形差分方程式を作りそれを解いて下さい。初期条件も設定すること。
解は安定か。 ヒント:(2.3)−(2.9)
問7 自ら 2
階線形微分方程式を作りそれを解いて下さい。解は安定か。
ヒント:(2.31)−(2.33)。文科で 2
階微分を学んでいない人はその旨書くこと。
問8 a) 軍備に関し、X 国が Y 国に反応する以上に Y 国は X
国に反応する。X 国の軍備
損耗率は Y 国のそれよりは大きい。また X
国には恒常的に軍備拡張論者がいる。Y 国
ではそれほどでもない。この軍備モデルを作りなさい。係数(パラメータ)は自ら
設定しなさい。均衡レベルは存在するか。
b) X, Y が人間であったら、どのように解釈されるか。
問9 生態学と微分方程式について簡単に述べなさい。
問10 次の語を簡単に説明しなさい。
a) システムにおける「終局性」(finality)、「前進的分離」
b) 相補的分裂生成
c) 環境容量
d) 熊手分岐(optional)
e) 不動点の周期倍分岐(optional)
問11 自ら(テキストとは異なった)線形計画法の問題を解き、遊休資源のシャドウ価格は
0 である
ことを確認しなさい。
問12 ケネーがいう「連続的生産過程が富を生み出す」ことを、産業連関分析の簡単な
数値例で学びなさい。
問13 生産の条件によっては最終需要を満たす生産量は存在しないことを例示しなさい。
問14 次の語を簡単に説明しなさい。
a) 生産は自然の問題、分配は社会の問題である。
b) コースの定理
c) ラグランジュ関数
問15 制度に対する信頼性と社会の安定を「囚人のジレンマ」の立場から論じなさい。
問16 アジアの貧困国の 45
歳の人が自らの家族の生存を支えるために、腎臓の片方を、
日本人で腎臓があれば救われる長期療養者に 500
万円(アジアのその国の物価は安い)で
売ることは許されるか許されないか。またそれはなぜか。
質問
私はこの授業を毎回欠かさず受講し、そのつど理解してきたつもりですが
レポートの問題を見ていると毎回頭をかかえています。
レポプリの写しがおおくてご立腹なのはわかりますが、
ちゃんとやっているひとがいることもわかってください。
特に第三回のレポートはあれだけの量で10点なのでしょうか?
しかも内容があまりにも難しいのではないでしょうか?
せめて授業の中で少し解説するとかなんとかしていただきたくメールを送りました。
この授業ははじめてやることだらけなので、もう少しお手柔らかにお願いしたく思い
ます。
答
気持ちはわかります。
レベルは高いでしょう。解説はします。ここは大学ですから、自分で勉強するという
態度を身につけてください。私は公平と正義を重んじます。「レポプリ」というのは
何か知りませんが、だいたい想像はつきます。レポートは勉強するためのもので、答
えを提出して点を稼ぐためのものではありません。そこはくれぐれも誤解しないで下
さい。今回は特に、まじめに勉強している人にはやさしく、そうでない人には難しい
試験となるでしょう。心配しないで下さい。
レポートは30点しかありませんから(私の予想では平均は15点位)、勉強せず試
験が実質ゼロ点ではとても単位は取れません。
試験のためにはテキストを隅から隅までを読まれることを強く勧めます。だからこそ
除外範囲を指定してありますし、持込可にもしてあります。大学生である以上、勉強
して試験に臨むということが重要です。文科生でもできるところまでは勉強してくだ
さい(高校カリキュラムは承知しています)。逆にいえば、勉強してない人が試験を
受けることは実質的にはほとんど無意味であると思いますので、承知しておいて下さ
い。(7/10)