2001年度 計量社会科学
第3回レポート(不確実性)

略解


1 確率を主観確率として用いる表現を周囲から一つ挙げなさい。

2 表 3.7(p. 81)の状況において、
   i) 楽観主義者 ii) 悲観主義者 iii) 中間の人
 がとる行動をそれぞれ求めなさい。

ハーヴィッツの基準で、α = 1, α = 0, α = 1/2。

3 図 3.3(p. 88)の投資の確実同値額、リスク・プレミアムを平方根効用関数
   u (x) = √x
 に対して求めなさい。

(1/2) √(100) + (1/2) √(500) = √ x の解は x = 261.79 で、リスク・プレミアム = 38.21。

4 保険の加入・非加入の比較、選択を、「くじ」の形で論じなさい。「保険」は「賭け」(gamble)ではないこと、および保険の本質について述べなさい。

表 3.11 の両図を表 3.9 のように表す。表 3.11 左が賭けでないこと、右が賭けであることは明らか。

5 アレーのパラドックス(逆説)の意味する内容を、期待効用の不等式を用いて、具体例によって述べなさい。

第一の選好から 0.1・U(10,000) + 0.9・U(0) > 0.09・U(15,000) + 0.91・U(0) が得られるが、第二から反対の不等式も得られる。

6 マルコヴィッツの株式利回りの時系列データ(p. 94)から、
   (a) アチソン・トペカ・サンタフェとコカ・コーラの各株式
   (b) ゼネラル・モーターズとファイアストーンの各株式
 の各組み合わせにつき、データを
   i) 時間を横軸にとった折線グラフ(2 社を同一グラフ上で)
   ii) 2 社を横軸、たて軸にとった散布図
 で表しなさい。コンピューターによらない場合はできるだけ方眼紙を用いること。
 ii) にあっては相関係数を付記すること。
   iii) (a) の組み合わせにつき、比率 (x, 1−x) のポートフォリオの分散の式、グラフ、および最小分散およびそれを与えるxを求めなさい。
   (注) データは、http://qmss.k.u-tokyo.ac.jp/databank/ にある。

(a) は相関が低い組合せ、(b) は高い組合せ。相関係数はそれぞれ r = 0.18, 0.76。
ポートフォリオの分散は x の 2 次式で、放物線の頂点で最小となる。

7 景気予測(良くなる、悪くなる、変らない)につき、一定期間の統計から A 証券会社は(60%, 20%, 20%)、B 証券会社は(50%, 30%, 20%)の結果であった。顧客にとってはどちらが使い易いか。

エントロピーはそれぞれ 1.37095, 1.48548ビット。同一事態に対する異なった予測結果だが、前者の方があいまいさが少ないので、その意味では使い易い。


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