2001年度 計量社会科学
第4回レポート(社会システム)

7 月 2 日出題

※ 第 3 回 7 番を本回へ持ち越し。なお、(60%, 20%, 30%)は(60%, 20%, 20%)と訂正。


1 マルサスの人口論のシステムを一般的な数式で表現してみなさい。必要な定数(パラメータ)については自分で記号(例えば a, b, c,・・・など)を用いること。また、その記号の意味を書くこと。つぎに、それらのパラメータに数値をあたえ、人口が食物生産を超える時期 n* を求める方程式を書きなさい。それを解く必要はないが、全体の様子を説明する図を添えること。

2 i) X 銀行では、金利 2.5%および 3%の 2 種類のローンを売出している。1500 万円のローンを、それぞれ返済期間(m)
   5 年、10 年、15 年、20 年、25 年、30 年
で割賦返済するための一年間の支払額(B)を表にして顧客に見せたい。2 通りの金利ごとに B の表を作りなさい。[本問、自習で可能]
  ii) 5 年で返済の場合、1, 2, 3, 4 年目の残債を金利ごとに求めなさい。

3 差分方程式 (2.1) の d) を一般の n に対し解きなさい。初期条件は a0 = 3, a1 = 0 とする。つぎに n = 1, 5, 10 に対して解 an を求めなさい。

4 成長の微分方程式
   i) dx/dt = 3x   (指数成長),
   ii) dx/dt = −x   (指数減衰),
   iii) dx/dt = 3x−x2  (ロジスティック成長)
を、初期条件 x (0) = 2 で解きなさい。x(1), x(2) などの値を求め、その形を書きなさい。概略の形でよい。ただし e = 2.72 とする。

5 2 国の「リチャードソンの軍備モデル」(3.3)を学び、それを要約して、その安定条件(p.180)の証明、およびそれが意味する所をのべなさい。また、この軍備システムが
   i) 不安定になるケース、ii) 安定であるが安定点の周りに周期変動が生じるケース
を、それぞれ 1 例ずつ連立微分方程式(定数項を含むこと)で表現しなさい。

6 「ロトカ・ヴォルテラの捕食者-被食者モデル」(1.22),(1.22') の図示(図5.5a)において、曲線部分のおのおの
   i) 右上, ii) 左上, iii) 左下, iv) 右下
の各局面で起こっていることがら(現象ないしは状況)を説明しなさい。捕食者、被食者は「オオカミ」「ヤギ」で代表してよい。

7* 「リー・ヨークのカオス」(5.1) で、初期値のわずかに異なる 2 つのケース
   0.5, 0.50001,
について、an の値は n が大きいときどのように異なるか(あるいはそうでないか)、
   r = 2.5, 2.9, 3.0, 3.57
の 4 通りについて定性的に[ことばで。解かなくてよい]論じなさい。このことの意味は何か。(optional)
   [ヒント] 倍周期分岐、ファイゲンバウム定数、SDIC


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