各メンバーの協力への貢献量がわかれば、その人の受けるべき配分もわかる。なぜなら人はちょうどその貢献量に等しいだけ報いられるからである。ゲーム理論では貢献量は次のように測る。たとえば合併が
(1) SC
(2) SC+CC
(3) SC+CC+ソール
のように起った場合(これは後述するように一つの想定)
(3)−(2)=ソールの貢献量=77−59=18
(2)−(1)= CC の貢献量=59−30=29
(1) =SC の(自分への)貢献量 =30
のように計算される。
もちろん貢献量の総和は 30 + 29 + 18 = 77 である。この場合、最後の SC は合併 CC+ソールに入らず単独でということで、単独の貢献量を測っている。
このように、合併が段階的にある順序で起ったと想定(実際はそうでないとしても)すれば、各段階の差から、貢献量が算出される。次の表の第 1 行を見ること。
合併各段階での各社の貢献量 | ||||
合併の順序 | SC | CC | TH | 計 |
SC,CC,TH | 30 | 29 | 18 | 77 |
SC,TH,CC | 30 | 32 | 15 | 77 |
CC,SC,TH | 37 | 22 | 18 | 77 |
CC,TH,SC | 38 | 22 | 17 | 77 |
TH,SC,CC | 40 | 32 | 5 | 77 |
TH,CC,SC | 38 | 34 | 5 | 77 |
加重平均 | 35.5 | 28.5 | 13 | 77 |
第 2 行以下も想定されるあらゆる順序に対して同じ考えで計算されている。これらの平均が最下行にある。今はそうでないが、一般にはこれら各行は同じウェイトではないので、ウェイトを考えて「加重平均」と記してある。各社の平均貢献量
35.5,28.5,13.0
が「シャプレー値」といわれるものである。これを第 3 の配分案とする。