2003年度夏学期 試験問題

2003.7.31 90分 松原望


  持ち込み可 :テキスト(副読本を含む)、自筆ノート、電卓 
  持ち込み不可:ノートをコピーしたものの類
  問題順に解答を書くこと。

―― 文科系は1,2,3を含む 7 題を選択 ――

[1] 平成14年度交通事故のデータは次のようである。

  全国 都内
発生件数 936,721 88,512
死者数 8,326 376
負傷者数 1,167,865 101,037

このデータ(だけ)をもとにして、これから推論されることをその推論理由とともに、2 点述べなさい(結論だけには点数を与えない)。

[2] 正しい推定(不偏性)と精確な推定(分散が小さい)の関係を述べなさい。

[3] メンデルのデータで適合度の χ2  統計量の値が極めて小さいことの問題点を述べなさい。これに関して、適合度の検定を両側検定とすることもできる。このことの意味を述べなさい。

[4] ある初級者の風景画につき、同じ町内に住む 6 人の画家が 10 点満点で評点を付けた結果は次の通りである。
   1,6,5,5.5,10,5
この結果から、この絵に対する平均的評価を判断する適切・公平な方法を、自ら状況を想定しながら複数提案しなさい。

[5] ある微生物の時間ごとの個体数(概数)n は次のようであった。

t 1 2 3 4 5 6
n 9 150 800 9,000 100,000 1,200,000

t と n の間の関係式を定める方法を提案し、最終計算をする直前段階までの経過を示しなさい(最終結果は示さなくてよい)。 ただし、log2=0.3010,log3=0.4771

[6] 二項分布のポアゾン近似(二項分布からポアゾン分布を導出する方法)の考え方から、パラメータ λ のポアゾン分布の分散が λ となることを示しなさい。ただし、二項分布の結果は証明なしで用いてよい。

[7] 二次元確率変数 (X, Y) の確率分布が
   Ρ (X=0,Y=0) = 3/10,Ρ (X=1,Y=1) = 4/10
   Ρ (X=0,Y=1) = 1/10,Ρ (X=1,Y=0) = 2/10
であるとする。X,Y の相関係数 ρ (X, Y)(あるいは ρXY)を求めなさい。

[8] 正規分布 N (μ, σ2) をもつ母集団から、サンプルサイズ n=50 のサンプルを抽出したら、平均 26.5、不偏分散 8.5 であった。有意水準 5 %で、仮説 H0:μ=25 を対立仮説 H1:μ≠25 に対して検定しなさい。必要な統計量をきちんと計算すること。
ただし Z0.025=1.96(正規分布の上側 2.5 %点)

[9] パラメータ λ の指数分布からのランダム・サンプル
   8,11,9,8,6,14,13,8,10,13
がある。これに基づき λ の値を最尤法で推定しなさい。

[10] さいころの 1, 2 を 0 に 3, 4, 5, 6 を 1 に読み替えて、100 回投げるものとする。その和を S とするとき、S≦50 となる確率のおおよその値を求めなさい。ただし、最終の値の必要はなく、標準正規分布の累積分布関数 Φ(u)(u 以下の確率)または Q(u)(u 以上の確率)の記号であらわすものとする。


 解答例(唯一の模範解答ではありません)

 問題講評

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