現在の株価が 42 ドル、オプションの期間がそれぞれ 3, 6, 12 か月、権利行使価格が 40 ドル、無リスク金利が年率それぞれ 7, 8, 9, 10, 11, 12 %、ボラティリティ(σ)が年率 25 %とする。このようなコール・オプションの価格をそれぞれ求め、適当にグラフ化しなさい。
(注1)ボラティリティとは、利回りの不確実性の尺度で、統計分析からその標準偏差で与えられる。
(注2)正規分布の累積確率(ある値以下の確率)はエクセル NORMSDIST で計算可能。
制作中
わかりやすい。
株価は毎回 u(アップ)だけ上がる、あるいは d(ダウン)だけ下がる離散時間確率過程と考えておく。各確率は p, 1-p とし、この p の値は無リスク資産(債券)の確定利子率にあわせて調整しておく。これを「無裁定の仮定」という。あとは、多時間とし、計算は中心極限定理を定理を用いる。
名前の起こりの原モデル。
派生商品(デリバティヴ)と株式資産のポートフォリオを考え、これが無リスクとなるような条件が偏微分方程式となることを利用、これを解く。もっともスッキリしているが、偏微分方程式を解くところが方法的には難。
【解説】J・ハル(東京三菱銀行金融商品開発部訳)『フィナンシャル・エンジニアリング』金融財政事情研究会(刊)第11章など。
現在はもっとも標準的。
無リスク資産とリスク資産とから成る証券市場を、連立確率微分方程式(幾何ブラウン運動)であらわしておき、そこに無裁定、価値の自己調達の仮定をおく。そのために、ギルサノフの定理で測度変換を行ってドリフト項を消去し、ブラウン運動とした測度のもとで、微分方程式の解の権利行使時価格の期待値を求めると、ストレートに出る。
確率微分方程式、伊藤のレンマ、ギルサノフの定理など道具が要るが、この知識は他にも汎用的なもので学習の実利は大。逆にいえば、理解のための投資は要る。
『入門確率過程』10章14節で詳細な分布計算