パスカル (Blaise Pascal), 1623-1662 フランスの科学者、哲学者。思索的人柄から多くの指導的哲学者、科学者と交際し、当時有力なイエズス会とは宗教・哲学論争も展開。深い宗教的思索はキリスト教弁証論として主著『パンセ』に記される。物理学や数学分野でも「パスカルの原理」など多くの発見、原理、定理があるが、確率論では数学者フェルマーとの交際から、「メレの問題」、「賭の中断の問題」を確率的に解くなど、今日の「確率」の考え方の基礎を築いた最初の一人。 |
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J. ベルヌーイ (Jacque Bernoulli), 1654-1705 スイスの数学者。バーゼル大学教授。学者一族ベルヌーイ家の一人で、微分積分学の確立に多大な寄与をなした。確率論の分野では、統計学上重要な「大数の法則」を発見し、確率論の体系化を押し進めた。主著は『推論法』Ars Conjectandi(1713)。 |
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ド・モアブル (De Moivre), 1667-1754 | ||
D. ベルヌーイ (Daniel Bernoulli), 1700-1782 18世紀のスイスの数学者、物理学者。物理学の発見以外に、聖ペテルスブルグのパラドックス、最初の効用関数の考え方などで知られる。ベルヌーイ家はバッハ家とともに遺伝学の教科書にも登場する学者の天才家系。 |
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ベイズ (Thomas Bayes), 1702-1761 18世紀イギリスの確率論研究家。本職は新教(長老派)の聖職者。「ベイズの法則」で知られる。 |
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サイモン (Herbert Simon), 1916-2001 現代アメリカの代表的経営学者、組織理論の理論家。主著『経営行動』で多くの有用な概念を提唱し、この領域を発展させた。 |
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マーコヴィッツ (Harry Markowitz), 1927- ポートフォリオ理論の提唱者。1990年ノーベル経済学賞受賞。 |
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シャノン (Claude Shannon), 1916- アメリカの応用数学者で、現代情報理論の創始者。暗号解析からこれを提唱し体系化した。 |
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ソシュール (Ferdinand de Saussure), 1857-1913 今世紀初頭の言語学者。従来の言語学を根本批判しフランス構造主義に大きな影響を与えた。 |
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クラウジウス (Rudolf J. E. Clausius), 1822-1888 19世紀の物理学者。熱力学・統計力学の基本概念である「エントロピー」をはじめて導入した。 |
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ボルツマン (Ludwig von Boltzmann), 1844-1916 物理学者でエントロピー概念を数学的に設定し、エントロピー増大の定理(いわゆるH定理)を厳密に証明した。熱力学・統計力学を建設。 |
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ウィーナー (N. Wiener), 1844-1916 現代アメリカの数学者。幼少時から天才の評判が高く、マサチューセッツ工科大学教授として、確率論の解析的取り扱い、時系列分析などで先駆的研究を残す。「ウィーナー過程」は現在でも確率過程論の中心的道具で今日、ファイナンスの理論などにも応用される。また、フィードバック制御による「サイバネティックス」(自動制御メカニズム)の概念を一般的に提唱し、今世紀の情報化社会の礎を築いた。「人間機械」(Human Use of Human Machine)などが有名。 |
当時のロシア帝国の首都。「啓蒙的専制君主」といわれた女帝エカテリナ2世(1729-1796)のもとに当時のヨーロッパの多くの学者が集まり、学問の中心の一つをなした。その後、この美しい町は、ペトログラード、レニングラード(革命後)と改称したが、ソ連崩壊後、原ロシア名サンクト・ペテルブルクに復帰。「効用」の考えの先駆者D. ベルヌーイはこのロシア帝国の首都で他の学者たちと交流し、結果を帝国学士院紀要に発表した。
ライン川に沿い、フランス、ドイツに接する。古くから文化と芸術で栄え、宗教改革者カルヴァン、人文主義哲学者エラスムス、数学者(など)ベルヌーイ一家、オイラー、画家ホルバイン、近くではカルヴァン派神学者K. バルトなどが出たが、現在は近代的産業都市に生まれ変わっている。バーゼル大学がある。
街路名にも学者の名(ベルヌーイシュトラッセ)