統計学で用いる確率分布

検定・推定、乱数発生
確率の学習


[一般的注]

まず、確率変数と確率分布の定義をおさえよう。

EXCEL では、必ずしも標準的・正統的でない用語が使用されているので、注意のこと。混乱が生じた場合は、下記解説あるいは統計学の一般的テキスト(例:『統計学入門』)、あるいは確率論ホームページを参照。

分布名からの検索

分布名 Excel 関数名 説明
正規分布(数表 NORMDIST 正規分布の累積分布関数
正規分布の%点逆引 NORMINV NORMDIST の「逆関数」
標準正規分布 NORMSDIST 標準正規分布の累積分布関数
標準正規分布の%点逆引 NORMSINV NORMSDIST の「逆関数」
カイ2乗分布 CHIDIST カイ2乗分布の上側確率
カイ2乗分布の%点逆引(数表 CHIINV CHIDIST の「逆関数」
F分布 FDIST F分布の上側確率
F分布の%点逆引 FINV FDISTの「逆関数」
t 分布 TDIST t 分布の片側・両側尾部確率(x 以上・± x 以遠)
t 分布の%点逆引(数表 TINV TDIST の「逆関数」
ベータ(B)分布 BETADIST ベータ分布の累積分布関数(ふつう A = 0, B = 1 の間)
ベータ(B)分布の%点逆引 BETAINV BETADIST の「逆関数」
指数分布 EXPONDIST 指数分布の累積分布関数。平均 = 1/λ。
ガンマ(Γ)分布 GAMMADIST ガンマ分布の累積分布関数
ガンマ(Γ)分布の%点逆引 GAMMAINV GAMMADIST の「逆関数」
二項分布 BINOMDIST 確率 0.4 で 5 回試行 => 3 回成功する確率
同 %点逆引き CRITIBINOM 確率 0.4 で 10 回試行 => 何回までで確率 0.9?
超幾何分布 HYPGEOMDIST サイズ N 個中 M 個が○ => n 個とって ○ x 個の確率
対数正規分布 LOGNORMDIST exp(X) (X は正規)の累積分布関数
同 %点逆引き LOGINV LOGNORMDISTの逆関数
ポアソン分布 POISSON 年平均 10 件の事故が 4 件起こる確率
負の二項分布 NEGBINOMDIST 確率 0.4 で、3 回成功するまでに 5 回の失敗あり。
ワイブル分布 WEIBUL 寿命の確率分布。指数分布の一般化。

注)

累積分布関数 その値 (x) より小となる確率 (p) [下側確率]
同 %点逆引 その確率 (p) を与えるもとの値 (x) [累積分布関数の逆関数]
上側確率 その値 (x) より大となる確率 (p)
同 %点逆引 その確率 (p) を与えるもとの値 (x)
両側確率 その値 (x) より外側 (± x 以遠) となる確率 (p)
同 %点逆引 その確率 (p) を与えるもとの値 (x)

関数名からの検索

Excel 関数名 分布名 備考
NORMDIST 正規分布 平均、分散パラメータに、実数、正数を指定。関数形式=TRUE*に。
NORMINV 正規分布の%点逆引 確率 p に相当する%点 (x) を与える。
NORMSDIST 標準正規分布 正規分布表。
NORMSINV 標準正規分布の%点逆引 確率 p に相当する%点 (x) を与える。
CHIDIST カイ2乗分布 自由度は正の整数を指定。
CHIINV カイ2乗分布の%点逆引 確率 p に相当する%点 (x) を与える。
FDIST F分布 F統計量の分子、分母の自由度 2 個指定。
FINV F分布の%点逆引 確率 p に相当する%点 (x) を与える。
TDIST t 分布 自由度は正の整数を指定。
TINV t 分布の%点逆引 確率 p に相当する%点 (x)。以上、以遠は各1, 2。
BETADIST ベータ分布 最初の A, B はパラメータ α, β で、正数を指定。
BETAINV ベータ分布の%点逆引 確率 p に相当する%点 (x) を与える。
EXPONDIST 指数分布 パラメータλ (ラムダ) は正数。関数形式=TRUE*に。
GAMMADIST ガンマ分布 A, B はパラメータ α, β で、正数を指定。関数形式=TRUE*に。α=1 なら λ=1/β(期待値β)の指数分布。期待値 = αβ。
GAMMAINV ガンマ分布の%点逆引 確率 p に相当する%点 (x) を与える。
BINOMDIST 二項分布 成功数 x, 試行回数 n, 成功確率 p。関数形式 = TRUE*で累積。
CRITIBINOM 同 %点逆引き 試行回数 n, 成功確率 p, 累積確率 α(A)
HYPGEOMDIST 超幾何分布 母集団の大きさ N, 同○数 M, 標本数 n, 同○数x
LOGNORMDIST 対数正規分布 X の平均、標準偏差を指定。
LOGINV 同  %点逆引き X の平均、標準偏差を指定。
POISSON ポアソン分布 件数 x, 平均 λ。関数形式 = TRUE*で累積。
NEGBINOMDIST 負の二項分布 成功数 r, 成功確率 p, 失敗数 x => 確率
WEIBUL ワイブル分布 故障率増加型 or 減少型はα、平均寿命はβによる。指数分布なら λ = 1/β。関数形式 = TRUE*で累積。

注)

「TRUE」「FALSE」の語は単なる区別(1, 0 くらいの意味)で、語意は無視。なお、関数形式 = FALSEとすると、確率密度あるいは確率(関数)自体を算出。


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 エクセルによる確率分布図示