「戦略論」ゼミナール 第 4 回(00/11/06)

企業合併交渉のゲーム理論的ケース・スタディ
交渉の「コア」と配分のシャプレー値


問題

SC, CC, Thor(カミナリ・セメント):セメント大手 3 社

合併すべきか否か。合併するならどの組合せか? 3 社すべての合併もよいし、2 社でもよい。交渉がまとまらないと、3 社はそのまま合併せずにいる。なお、最後のケースでは、カルテルも合法的に考えられるが、このことは問題の本質に関係ない。以上はスカンディナビアのあるケース(Raiffa)。

予想利益のデータ(単位=100万ドル)

3 社そのまま

SC 32
CC 23
ソール(Thor) 6

2 社合併・1 社そのまま

SC+CC 59
  ソールそのまま 5
SC+ソール 45
  CC そのまま 22
CC+ソール 39
  SC そのまま 30

3 社合併

SC+CC+ソール 77

理念
第 1 案 単純比例案 哲学上の配分的正義
第 2 案 「交渉のコア」案 拒否されないように配慮
第 3 案 「シャプレー値」案 貢献量に根拠

 『ゲームとしての社会戦略:計量社会科学で何がわかるか』第2章

 「戦略論ゼミナール」トップページ