2003年度 講義内容と進度

 QMSS ウェブサイト活用授業

 授業風景(1323番教室)


 

内容など
第1回 4/14 => 講義内容ガイダンス
第2回 4/21 => 計量社会科学の講義の概要
=> 計量社会科学の学び方
第3回
4/28 第1章1, 2節
 ・ つつき順序、ヒトと動物の分別
 ・ 哲学的背景(アリストテレス、ホッブズetc.)若干
   順序(序数効用)、その公理(半順序、全順序)、
   可能な順序の個数、順序型(難)
 ・ 効用(基数効用)と効用関数、聖ペテルスブルグの逆説、
   主観的価値、限界効用逓減の法則、無差別曲線(難)
     -> 副読本では日本茶、紅茶、コーヒーの例
 ・ コンドルセの「投票の逆説」(3節イントロ)
☆ くわしい展開は => 意思決定の数理
☆ 効用の哲学的議論は結局は「幸福論」へ(関心あれば)
第4回
5/12 1章(続):ここは社会的ブレーン・エクササイズ => 君は?
・ コンドルセの 「投票の逆説」 => 投票は万能でない。
・ 一対比較による「コンドルセ勝者」という考え 
    ☆ 背景はフランス革命(ふれなかったが)
アローの不可能性定理論理用語は知っておくこと )
・ 自動販売機式「民主主義」が存在しない、という意味。
「自由」の逆説 => お堅い方とHな人のやりあいで結論出ず。
・ センのパレート原理批判はあたっている(国際開発問題など)。
    ☆ レポート回収(提出)日
☆ くわしい展開は => 意思決定の数理
第5回
5/19 ゲーム理論(1)        ◇:話題
  内容大略図示を板書。
☆ 始めた人 = フォン・ノイマン(右)、モルゲンシュテルン
・ プレーヤー、戦略、利得(清算、payoff)行列
2人ゼロサム・ゲーム
    保障水準 => マクスミン戦略、ミニマクス戦略
    均衡点(ナッシュ均衡点という => J.ナッシュ
    ここでは、均衡点は鞍点(月1未説明):図2.1
    均衡点がなくとも、混合戦略ならあり:図2.2
    ビスマルク海戦(=> 太平洋戦史)
      ◇ 太平洋戦史から : 真珠湾攻撃東京大空襲
         (墨田・江東方面、現在渋谷109付近
      ◇ 関ヶ原の戦(小早川秀秋の裏切は「将」の戦略か)
2人非ゼロサム・ゲーム => レポートにも出題
    - 囚人のジレンマ
    - チキン
    - 両性の闘い
    注目ポイント => 表2.9で復習のこと
      i) ナッシュ均衡点
      ii) 優越戦略
      iii) パレート最適性
    - 国際政治のゲーム(<= 世界史)
☆ くわしい展開は => 意思決定の数理
第6回
5/26 ☆ 前回積み残しを終了。今回は3, 4節
・ 協力ゲーム
    - 囚人のジレンマでは、「協力」というが、非協力ゲーム。
    - 砂漠で水と栓抜きの協力交渉の例。労使交渉のケースも。
    - コア(未)
    - シャプレー値(未)
         セメント会社合併ケース副読本より)
・ ゲームと情報
    - 展開型ゲームの練習 =>「逆向き推論」(英語では?)
                      or 「枝刈り」
        練習シュタッケルベルク均衡(表2.5)でTRY
    - 「サブゲーム完全」(次回)
    - 「チェーンストア・パラドックス」は割愛の予定。
    - 「モラル・ハザード」「逆選択」「レモン市場」なども割愛。
レポートはあと1週間を与える。
☆ 第6章で 囚人のジレンマの「繰り返しゲーム」(TIT-FOR-TAT)による克服
囚人のジレンマの計量(扱わず)
☆ 次回は第3章にはいる。レポート出題予定。
☆ 第4章は1回で済ますか、ウェブで代替予定。
☆ くわしい展開は => 意思決定の数理
第7回
6/2 協力ゲームを中心として
・ チキン・ゲームのコメント追加
    公共財供給、「よきサマリアびと」(Good Samaritan)
協力ゲーム: 特性関数による表現
    - シャプレー値
    - コア
・ サブゲーム完全均衡[条件付き戦略がポイント]
☆新規企画予定:ベイズ・ナッシュ均衡を解説[夏ころ]
☆ くわしい展開は => 意思決定の数理
第8回 6/9 今回より第3章
確率と意思決定(レポートで演習しながら)
    - 確率の定義(いつも通り)
    - ベイズの定理(今回はじめて)
    - 不確実性下の意思決定
    - 期待効用仮説
    - アレーのパラドックス(例年通り)
    - 投資とリスク(確実同値額)
☆ここでは確率論は扱わない。
☆ くわしい展開は => 意思決定の数理
第9回 6/16 3章2節
    - 「アレーの逆説」(パラドックス)の解説繰返し(「経験的」とは)
    - 投資における「確実同値額」「リスク・プレミアム」の意味
        ・ 「ジャパン・プレミアム」を知ってる?
    - 保険の原理(生保と損保[海上-、火災・盗難-、責任-保険])
        ・ ほとんどあり得ないので保険料はムダ、ですむか=>効用
    ☆ 「アクチュアリー」という専門職紹介(宣伝ではない)
3節 「ポートフォリオ」は次回回し
4節 「情報」とは何か?  こたえ:「不確実性」の減少
    第 1 段階  情報 = log (場合の数9
    第 2 段階  情報 = log (1/p)
      ・ 犬が人を咬むのはなぜニュースでないのか
      ・ 「E なし小説」とは?
    第 3 段階  エントロピーの定義
      なお、対数の底 = 2 (ビット)
☆ くわしい展開は => 意思決定の数理
第10回
6/23 3章4節 エントロピーの意味付け
    ・ 気体の拡散で説明。位置の情報が失われエントロピー極大化
       => エントロピー増大の法則、あるいは熱力学第2法則
    ・ 減る確率は空前絶後に小さい。増大はほとんど絶対真理。
       => つまりエントロピー増大は不可逆過程
         (船客の席が極端に偏って船が沈むことはない)
    ・ 生命現象はエントロピー減少過程
       => シュレーディンガーの「ネゲントロピー」
         「生物はネゲントロピーを食べて生きている」とは?
3章3節 マルコヴィッツのポートフォリオ選択論 => 実務教育に有用
    ・ 株式の利回りの平均、分散(標準偏差 -> リスク)がトレードオフ(両立しない)
       => High Risk(σ),High Return(e)
         (Return=利回り、利得率、リターン)
    ・ 分散投資 => 相関係数が - か、+ でも小ならよい。
       -> エクセル分析ツール
    ・ x 対 1-x に分割し、(e, σ) を x ごとに計算する
       -> エクセル命令複写の練習、
         とにかく練習して体得(報告書を書く練習)。
    ・ 双曲線のどこを選べばよいか。
    ☆ 株式のこれくらいは、買わなくても、常識。
    ☆ 現在の市場全体のデータはここ
    ☆ 4章(社会統計)は基礎統計と重なるのでそちらへ。
      (なお統計のあるべき姿などの課題あり。レポートも。)
☆ くわしい展開は => 意思決定の数理
第11回
6/30 5章 微分方程式で社会を理解する(1)
    ・ 1節2節(板書要約) <解説準備中>
       -> レポート1,2,3番
    キーワード: 成長と減衰、資源制約、競争、均衡と(不)安定
第12回
7/7 5章 微分方程式で社会を理解する(2)
    ・ 3節(板書要約) <解説制作中>
      リチャードソンの2国軍備モデル -> レポート4番
       => これで高校以来の「固有値」の具体的意味が分かる。
    ・ カオスのおはなし(次回続)
第13回
7/14
最終講義
6章 政策と計画(方法の例と発想法)=考えだけです
  線形計画法(LP)
    - 高校や入試でやったが、大学では経済学的意味も。
    - シャドウ価格 ◎
    - 双対(そうつい)問題
    - ラグランジュ乗数法とそのわけ(なるほど/これは便利) ◎
  産業連関分析
    - 生産物は他生産部門の原料へ(中間生産)/最終需要へ
    - 投入係数とその行列
    - レオンチェフ逆行列は役に立つ ◎
    - 乗数効果(公共事業は景気回復に役立つのかetc.)
    - 粗付加価値(各部門で、全生産-全投入)、およびその和=GNP
     ・ この際、行列を知らない人は一夜でいいから勉強 => p.259〜
     ☆以上は、第6回レポートで理解できる。
  囚人のジレンマ/もう一度
     時間切れ(->ザッと読んでおく)
    - ことに「共有地の悲劇」<=環境問題で重要
  パレート最適性
     時間切れ(->ザッと読んでおく)
    - この原理はそんなに大切なのか?問題点は?

 レポート

 試験に見る復習ポイントの講評

 テキスト